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1リッターで「60km」走るダイハツ「“4人乗り”軽クーペ」!
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そして原油供給の懸念から、日本国内でもガソリン価格の異常な高騰が差し迫っているという危機感が拡大。
そこで今回は、今から20年以上も前に“究極の低燃費”を目指して開発されたダイハツの「UFE-II」を振り返り、“真のエコカー”とは何かをあらためて考えてみたいと思います。
UFE-II(Ultra Fuel Economy II)は、2003年に開催された「第37回東京モーターショー」で世界初公開された、超低燃費をテーマにした軽自動車サイズのコンセプトカーです。
2001年に発表された初代「UFE」を進化させたこの第二弾モデルは、4人乗りのクルマとして当時“世界一”となる「リッター60km(10・15モード)」という、現代の目で見ても信じがたい驚異的な燃費目標を掲げて登場しました。
この圧倒的な数値を実現するため、ダイハツは車両全体を最適化するホリスティックなアプローチを採用。
スタイリングは、空気抵抗を極限まで減らすべく、クーペ状の「涙滴(ティアドロップ)型フォルム」と、後端をスパッと切り落とした「カットテール」を組み合わせた、いわゆる砲弾型デザイン。
リアタイヤをすっぽりと覆うスパッツや、フラットな床下処理なども相まって、空気抵抗係数(Cd値)は現代のエコカーをも凌ぐ0.19という驚異の数値を叩き出しました。
さらに、ボディ素材にはアルミニウムと樹脂をふんだんに使用し、4人乗りのキャビンを備えながら車両重量をわずか570kgに抑制。
転がり抵抗を減らすために幅115mmという極細の専用タイヤを履き、心臓部には新開発の660cc直噴アトキンソンサイクルエンジンに2基のモーターを組み合わせた高度なハイブリッドシステムを搭載していました。
まさに、当時のダイハツが持てる技術を全て注ぎ込んだ「走る実験室」でした。
そして究極のエコカーでありながら、UFE-IIは決して無機質なエコボックスではありませんでした。
大きく跳ね上がるガルウィングドアを採用し、モーターショーの舞台にふさわしい華やかさと未来感を演出。
インテリアも「テクノ・コクピット」と名付けられ、当時最先端のステア・バイ・ワイヤ技術を導入し、操作系をセンターに集約した斬新なインターフェースを提案していました。
しかし、これほどまでに完成度が高く、魅力的なパッケージであったにもかかわらず、UFE-IIが市販されることはありませんでした。
その最大の理由は「コストの壁」です。
複雑なハイブリッドシステム、軽量な特殊素材、そして専用設計の空力ボディは、当時の軽自動車の価格帯には到底収まらないものでした。
一方で、UFE-IIの挑戦は決して無駄にはなりませんでした。
徹底した軽量化、空気抵抗の低減、パワートレインの効率化という「スモールカーの可能性を追求する哲学」は、その後「e:S(イース)テクノロジー」へと昇華し、現在の大ヒットモデル「ミライース」をはじめとするダイハツの市販車たちに脈々と受け継がれています。
ガソリン価格の急騰が現実味を帯びる現在の視点からUFE-IIを振り返ると、ダイハツが20年以上前に思い描いた「燃費を極める」という執念がいかに先見の明に満ちていたかがわかります。
たとえ市販には至らなかったとしても、この流麗なコンセプトカーは、資源の危機に直面する現代の私たちに「究極のエコカーとは何か」を再び問いかけているように感じられるのです。
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